その4 
久々のシリーズ4弾目です。 
 かつて、テレビショッピングなどで、ピストルの形をした手動ドライバーを盛んに宣伝していましたよね? でも、アレ、最近ではとんと見かけなくなりましたね。実は、私の友人も買ったのですが、少しだけ使った後、誤って落としたら、すぐに壊れてしまったそうです。やはり、完全な独占商品だったために、競争がなく、品質管理に問題があったのでしょうね。 
 それに代わり、最近ではホームセンターなどに行くと、「押すだけで回るドライバー」というのを売っていますよね? これの方が、その「ピストル型ドライバー」よりも、ずっとシンプルで使いやすく、かつまた力がいりません。なぜなら、ピストル型では握力によって回すので、それなりに手が疲れるのに対し、「押すだけタイプ」の方は、体重をかけるだけで良いからです。そのうえ、形がシンプルである分、価格もリーズナブルです(安いものは換え先を含めて2000円以下で買える)。 
 さて、この「押すだけで回るドライバー」というのを、実はてるちゃんは、1993年にすでに考案していたのです。当時、このようなドライバーはなく、似たものとして、螺旋軸の周囲に付いた小さなスライドハンドル(手元のグリップとは別)を前後させることによって、ドライバーが回転するタイプのものが市販されていました。「押すだけでタイプ」は、この改良型と見ることができるでしょう。あるいは、「ピストル型」の螺旋機構を見て思い付いたものかもしれません。 
 私の場合、最初は簡易なドリルとして考案しました。当時のメモを見ると、「同時にドライバーとしても使用できる」と書いてあります。しかし、ノートに書いたまま、そのままにしておいたのですね。その内に、上記のピストル型が登場し、後に押すだけのタイプが登場したようです。 
 このあたり、特許を調べてみたのですが、あまり詳しいことは分かりませんでした。とはいえ、1993年の時点ですぐに出願して商品化していれば、今頃は左団扇だったかもしれません。 
 あ〜あ、まさに「獲らぬタヌキのなんとやら」ですね。 
 てるちゃん                   2002/09/05 
 
       
      > この「押すだけで回るドライバー」というのを、実はてるちゃんは、 
> 1993年にすでに考案していたのです。 
 
「押すだけで回るドライバー」というのは、「Spiral Screwdrivers」 
のことでしょうか。もしそうなら、数十年も前の私の子供のころに、 
すでに見たことはあります。と言うことで一度改めて調べてみました。 
 
「Spiral Screwdriver Patents」 
A Selective Database of U. S. Patents Relating to Spiral Screwdrivers: 1868 - 1931 
http://www.idcomm.com/personal/cfales/intro.htm 
 
Spiral Screwdriver U.S. Patent Database 
「http://www.idcomm.com/personal/cfales/Sdpat_db.htm」 
 
と言うようなことからもわかるように、100年以上前の「1868年」には、 
すでに米国での特許出願が、なされていたようです。(まことに残念でしたね。!) 
 TAKEちゃん                 2002/09/09 
 
       
      >100年以上前の「1868年」には、すでに米国での特許出願が、なされていたようです。 
 
 ええっ、そんなに前なんですか? どうりでIPDLで調べてもなかなか見つからないわけですね。とすると、今から十数年くらい前に商品化されていた「柄とは別のスライドを前後させて回転させるドライバー」というのは、その特許の存在を知らずにそれより劣るものを商品化したことになりますね。いや、もしかすると、その特許を回避する(切れているのでその必要もなさそうですが)ためにその構造にしたのかもしれません。また、その「押すだけで回るドライバー」が長い間市販されていなかった(少なくとも今のよう大量には)のはどうしてなのか、ちょっと謎が残ります。もしかすると、あの「ピストル型」に触発されて古い良い案が回顧されたのかもしれませんね。 
 こんなに良い案なのに、商品のどこを見てもPAT番号の表示がないので不思議には思っていました。 
 てるちゃん                   2002/09/09 
 
       
      > 「柄とは別のスライドを前後させて回転させるドライバー」というのは、 
> その特許の存在を知らずにそれより劣るものを商品化したことに 
 
まぁ考えた本人にとっては、『 劣る 』と言う考えは毛頭無かったのでしょう。なぜなら、同じような考え方のものも、既に100年以上前に考えられていて、前回のウエブページ↓にも出ていましたよね。 
「H. MUELLER MFG. CO. / Decatur, Ill. / PAT. . JULY 30, 1889:」 
http://www.idcomm.com/personal/cfales/wanted.html 
(このページの上から4番目の図ですね) 
恐らく「別のスライドを前後させる方式」は、両手でやったほうが便利なはず、と言うような考え方で、考案されたものでは無かったのでしょうか。? 
 
> こんなに良い案なのに、商品のどこを見てもPAT番号の表示がないので 
 
昔々二十歳代のころ、思い付いたアイデアを大阪の図書館に調べに行った時に、それとまったく同じアイデアが、既に、「明治時代の日本の特許」に出ていて、「やはり(単なる思いつき)では駄目だなぁ」と、反省した事がありましたね。 
 
> どういうルートで探されたのか、かいつまんで教えていただきたいくらい 
 
別に何らの秘密も無いのですが。「ネットニュースや、2ちゃんねる」などの、掲示板に数年投稿している内に、色々なものをウエブ上で探す必要に迫られて、経験上身に付いた知恵と言いますか、ノウハウと言えるのでは無いでしょうか。 
 
ウエブで、何らかの情報を探すノウハウとは、 
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1.特許で無いものも多く、商品の有る無しは最初ウエブ全体から調べて見る。 
2.探したい目的の「正式な製品名は何なのか」を、まず考えたり調べて見る。 
3.日本語の情報の中で見付けられない場合は、英語のページでも調べて見る。 
4.複数の「ウエブ検索エンジン」の、個々の特性の違いを良く理解しておく。 
5.専門的で細かい部分のアイデアは、特許資料を調べないと当然わからない。 
6.自分の調べたい分野の、「IPC国際特許分類」がわかれば見付けやすい。 
7.日本の「特許電子図書館」や「アメリカ特許局」の、ウエブ検索に慣れる。 
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まぁこんなところでしょうか。 
決まった方法が最初から有ると言うのでもなくて、探偵小説に出てくるような、一種の犯人探しの推理を、毎回やっているような感じでしょうか。。。 
       TAKEちゃん                 2002/09/17 
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